TOP石灰窒素稲わら腐熟促進のために石灰窒素を散布した場合、翌春の田植え時に窒素過多になるようなことは起こりませんか?
最終更新日 : 2021/06/30

稲わら腐熟促進のために石灰窒素を散布した場合、翌春の田植え時に窒素過多になるようなことは起こりませんか?

通常の施用量よりも多い石灰窒素25kg/10aを稲わら600kgに散布し12月にすき込んだ滋賀県の事例では、翌年の田植え時(5月9日)に土壌中に残っていた無機態窒素は稲わらだけをすき込んだ土壌とほとんど変わっておりませんでした。これは石灰窒素の窒素が稲わらに取り込まれたためと考えられ、この点からは田植え時の窒素過多による過剰生育等は心配する必要がないと考えます。一方、石灰窒素の添加により稲わらの全窒素は、生育中期から後期に効く窒素(アルカリ非留出窒素)の形態では12%増となっておりました。この結果からは、土壌の窒素供給力が増加し、稲わらに取り込まれた窒素の一部が水稲の生育後期に吸収されることが想定されます。したがって、食味を重視した栽培を行う場合やもともと肥沃度の高い水田で作付けする場合などは、石灰窒素の散布量を10~20kg/10aの範囲に止めるか基肥窒素量を減肥することも検討してください。

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